アズレージョ

ポルトガルのタイルはあらゆる建物で見られ陶器好きのわたしには魅力的な芸術品

岸　由美子作
・賞　多治見市市長賞、可児市教育長賞、多治見市優秀賞、美濃加茂市優秀賞など

サイズ：57x50cm

＜旅を通じて紡がれた記憶のタペストリー＞

心の深いところから、色彩豊かな旅の記憶が静かに広がる。初めての海外は、スペインという美しい国。温かい人々と情熱的な文化が、この新しい土地での体験を一層鮮やかに彩った。内戦の影を感じながらも、その優しさに包まれ、新たなる世界に浸っていく。

セビーリャの街並みは夢幻のよう。弦楽器の音色が街を流れ、情熱的なダンスが目の前で繰り広げられる中、私はカルメンの美しさに魅了された。サラマンカでは友情を深め、ポルトガルやモロッコを共に旅することで、貧しさを超えて心が豊かになる感覚を体験した。日々の充実感は何物にも代え難い貴重な宝物だった。

数年後、日本に帰国した私は、シカゴで新たな冒険を迎えた。野球やサッカーの歓喜の中、市民としての幸福感を感じ、夏の日々はバーベキューの煙に包まれて過ぎていった。ワシントンD.C.近くの短期講座では新しい知識の扉が開き、無限の可能性に目を輝かせた。

帰国後、私は自ら英語の塾を開き、夏には英国への旅に出た。ガーデンに囲まれ、色とりどりの花々の美しさに心が癒された。スイス、フランス、ベルギー、オーストリアを友人と巡り、それぞれの土地が持つ魅力を体験することで、心がいっそう広がっていくのを感じた。

時差のない国、ニュージーランドやオーストラリアに向かい、静かな贅沢を見つけた。最近、北欧では親友とその母の遺骨を海に散骨するという大切な瞬間を過ごし、思い出と共に浸る時間を得た。

そして、メキシコへの旅の計画が続く。体調を崩していたため、記憶は薄れてしまったが、ピラミッドの壮大さには強く心を打たれた。次は台湾への旅、そこにも新しい経験が待っている。

こうして、心の中に息づく数々の出会いや思い出が私の支えとなり、描くための糧となっている。言葉にするとあっという間に時間が過ぎるが、その一瞬一瞬は私の原点。あっという間に時が過ぎるが、それぞれの瞬間こそが私の原点。その一つひとつを思いながら、再び筆を取って旅に出ます。